「専従者だけど、家計の足しにパートしたい!」「専従者は副業やってもいいのかな?」「バレたらどうなるの…?」と考えること、ありますよね。専従者給与の節税効果も活かしながら、世帯収入が増えればこんなにいいことはありません。
結論からいうと、専従者でもパートや副業の掛け持ちは可能です。ただし、「家業(専従者)がメインであること」が前提。
はた坊私は「専従者は他で働けない」と思い込んでいましたが絶対ダメというわけではないんです。
- 専従者のパートや副業の掛け持ちはどこまでOK?
- 掛け持ちはどうしてバレるのか
- 専従者が容認されるケースと否認されやすいケース
- 迷った時の判断方法や相談先
- 家業より稼ぐようになった時の対応
9年間専従者をしていた筆者の実体験も交えてわかりやすく紹介します。


1. 専従者給与の基本ルールをおさらい


「青色事業専従者給与」は、青色申告をしている個人事業主が家族に払う給料を経費にできる制度です。
本来、生計を一つにする家族が仕事を手伝ったことへの給与は経費にはできませんが、「専従者給与」の届出を出せば家族への給料を経費にして節税できるとても節税効果の高い制度。
ただし、誰でも専従者にしてOK!ではなく要件が決まっています。
- 生計を一つにしている配偶者や親族(15歳以上)
- 「所得税の青色申告承認申請書」を提出している
- 「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出している
- 一年のうち6ヶ月超、事業に専ら従事している
④の「事業に専ら従事している」が一番重要で、家業がメインの仕事であることが条件になります。
専従者給与の節税例として、所得400万円の事業主が妻に100万円専従者給与を支払うだけで所得税、住民税、国保料まとめて20万円ほど節税できます。事業を手伝ってくれる家族がいるなら絶対に使った方がいい制度ですが、パートや副業の掛け持ちの程度によっては専従者給与が否認され、節税効果を失います。
専従者給与についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
▶ 【個人事業主】専従者給与はいくらまで大丈夫?届出方法・節税効果を徹底解説!
2. 専従者がパート・副業を掛け持ちできる条件とは?【税務署が判断する基準】


「家業がメインならOK」と言われても実際どのくらい働くとNGになるのか…ここがグレーゾーンです。
専従者給与は節税効果が高いため、条件によっては税務署から否認されるケースも多いです。



「税務署から否認される」という言葉だけで怖い
2-1. なぜパートや副業の掛け持ちがバレるのか?
税務署がどうやって掛け持ちを把握しているかというと、従業員を雇用している場合、毎年1月末までに市区町村へ提出する「給与支払報告書」で税務署は住民税を把握しています。だから専従者に他に収入があるかどうかも税務署は把握することができるんです。


2-2. 【税理士の見解】掛け持ちはNG寄り
私はパートしながら自営業の経理をしているので、専従者給与は出してOKなのか顧問税理士に相談してみました。
- 専従者は「他の職業を持たず、常に家業に従事している状態」が原則
- 税務署は専従者給与を厳しめにみている
- パートとの掛け持ちは基本的に専従者給与の否認リスクが高くなる
というのが、顧問税理士の見解でした。
2-3. 掛け持ちOKはどんなパターン?
掛け持ちは基本的に否認リスクが高くなるが、以下のような条件はセーフの可能性があるとのこと。
- 日中は家業、就業時間外で短時間副業(例:平日はフルタイムで家業、土日だけ短時間パートなど)
- 就業時間や給与がパート・副業より家業の方が多い



つまり、「あくまで家業がメイン」というのが絶対条件ですね。
2-4. 掛け持ちNGになりやすい働き方の例
- 週5日パート、家業はスキマ時間のみ
- パート・副業の売上が家業を超えた
→ 副業が本業と判断されがち - 家業メインだけど記録が曖昧
「作業記録」の提出を求められるケースもあり。普段から記録しておくと安心
過去に専従者給与が否認された判例として国税不服審判所に11件の判例がありました。気になる方はチェックしてみてください。
2-5. 迷ったらまずはここをチェック!
自分で判断するのが難しい…と迷ったら、次のポイントを紙に書き出してみましょう。
- 家業の作業内容(記帳/請求書作成)
- パート・副業の勤務状況(日数/時間/収入)
- 家業の勤務状況(日数/時間/収入)
書き出してみると、「どっちがメインなのか?」がハッキリ見えてきます。
3. 不安な時の相談先【税務署・税理士】


自分でもしっかり考えたけど、まだ不安、専門家の意見も聞いてみたいと思ったら、以下の場所を利用してみましょう。
- 税務署の無料相談
- 市区町村の青色申告会
- 近くの商工会で相談
- 税理士さんに単発で相談
- 顧問税理士を検討してみる



私は10年間商工会でお世話になり、2年前に顧問税理士に切り替えました。相談先を持っておくと心強いですよ。
それぞれの特徴や体験談はこちらにまとめています。
▶ 税金・確定申告で不安なとき、どこに相談する?個人事業主の相談窓口5選
4. 家業よりもパート・副業の方が稼げるようになった時の対応


家業がメインならパートや副業の掛け持ちはOKですが、もしそのバランスが逆転してしまったら?結論から言うと、専従者の条件を外れる可能性があります!
パートや副業の収入が家業を上回ると、税務署から「パート・副業が本業じゃないの??」とみなされるリスクが高くなるからです。
4-1. 専従者NGの可能性が高いケース
以下のような場合はパート・副業がメインと判断されやすく、専従者給与が認められない可能性があります。
- 家業の給与:月3万円
- パート・副業:月8万円
パート・副業がメインと判断されると、過去に経費にした専従者給与が否認され追徴課税になる可能性や、最悪数年さかのぼって追徴課税になるケースもあります。
4-2. 「専従者をやめる」選択
パートや副業の収入が家業を上回ってきたら専従者を辞める選択も検討しましょう。私の場合、税理士さんからも「専従者は外れた方がいいですね」と言われ、パートを始めたタイミングで専従者を外れることにしました。
【私の就業状況】
- 週4日6時間パート、家業の経理週1
- 時間も給与もパートの比重が大きい
専従者を外れたことで事業主の税金は増えましたが、メリットもたくさんありました。
- 税金が増えても世帯収入は約80万円増加
- 社会保険加入で将来の年金や保障がUP
- 子2人を私の扶養に入れることができた(保険協会によっては不可)
世帯年収UPについてはこちらの記事で具体的に解説しています。
▶ 専従者とパートはどっちが得?パートの方が【年間87万円お得】になる理由を解説
無理に専従者にこだわらず、状況に応じて働き方を変えるのも選択の一つ。子どもの成長や家庭の状況によって、都度見直していきたいと思います。
4-3. 専従者をやめる時の注意点
専従者をやめるのに特別な届出は不要です。給与の支払いを停止しましょう。
専従者をやめる時は以下のことに注意しましょう。
- 専従者だった期間が6ヶ月未満だった場合、その年の専従者給与が認められない可能性がある
- 6ヶ月以上なら専従者給与は認められるが、年度を通して専従者給与分の経費が減るため、夫の税金が増える可能性あり
- 妻の所得によっては夫の配偶者(特別)控除が使えるケースあり
- 妻が社会保険に加入する場合、妻分の社会保険料控除は妻側の年末調整で使われるため、夫の社会保険料控除が減る
また専従者に戻る場合も特に届出は不要です。給与を支払ったら従来通り源泉徴や年末調整が必要になります。
まとめ
専従者給与はとても節税効果が高い制度です。その分要件を守らないと税務署から目を付けられる可能性もあります。
- 専従者でもパート・副業は掛け持ちは可能
- ただし「家業がメイン」であることが絶対条件
- 税務署は住民税を把握しているので掛け持ちはバレる
- 働き方を記録しておくと税務調査が入っても安心◎
- 不安な時は税務署や税理士に相談しよう
- パート・副業が上回ってきたら専従者を辞める選択を
- 6ヶ月未満で専従者を辞めると専従者給与が否認される可能性があるため辞めるタイミングは要検討
専従者と掛け持ちできる仕事で節税効果を活かすか、思い切って専従者をやめて世帯収入を増やすか。家業の状態や、ライフスタイルに応じて検討してくださいね。
私が専従者を辞めた理由や、実際に辞めて変わったことなどを語っています。一例としてご覧ください!

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