個人事業主用の口座をどこで作るか調べていると、よく見かけるGMOあおぞらネット銀行。開設費も口座維持費も無料、振込手数料が安いのが特徴です。私は家族の事業の経理を担当していたときに、地方銀行からこの銀行に乗り換えました。
楽天銀行やドコモSMTBネット銀行(旧住信SBIネット銀行)に比べると知名度は高くありませんが、操作性もわかりやすく、個人事業主におすすめできる銀行です。
おすすめしたい運用方法は、個人事業主口座と個人口座をセットで使う方法です。個人口座の使い道はこの2つです。
- 納税や年払い費用の積立
- 個人名義でしか引き落とせない費用の支払い(小規模企業共済・iDeCo・事業に使っている個人クレカ)
小規模企業共済やiDeco、屋号付きの事業用口座からは引き落とせません。掛金を家計から出すなら家計の個人口座から引き落としで問題ありませんが、私は事業から掛金を出しているので家計口座に事業のお金が混ざるのがプチストレスでした。
でも、GMOあおぞらネット銀行を「個人事業主口座 + 個人口座」の組み合わせで使うようにすると、プチストレスも解消し、資金管理が格段にラクになりました。
「個人事業主口座 + 個人口座」の使い方自体は他のネット銀行でもできますが、楽天銀行だと個人ビジネス口座・個人口座間の振込に52円かかります。GMOあおぞらネット銀行同士なら振込手数料無料なので、こまめに資金を移動しても手数料を気にせずにすみます。
この記事では、GMOあおぞらネット銀行の個人事業主口座で実際にできること・できないこと、個人口座併用での運用方法を解説します。
- GMOあおぞらネット銀行の個人事業主口座とは
- GMOあおぞらネット銀行を使って感じたメリット・デメリット
- 「つかいわけ口座」機能でできること・できないこと
- 個人口座を併用すると解決すること
- GMOあおぞらネット銀行が向かない人
- 口座開設の流れ

1. GMOあおぞらネット銀行の個人事業主口座とは

GMOあおぞらネット銀行で個人事業主が持てる口座はこの2つです。
- 個人事業主口座:事業用口座、屋号付きにもできる
- 個人口座:個人名義のみ
個人事業主口座は「〇〇建設 山田太郎」のような屋号付きの名義にできるので、振込先として伝えたときに事業の口座だとわかります。屋号がなくても個人事業主口座は開設できます。開設費も口座維持費もかかりません。
各種手数料
| 手続き | 手数料(税込) |
| 他行あて振込 | 100円 |
| 同行あて振込 | 無料 |
| コンビニATM入出金 | 110円 |
口座間でお金を動かしても、GMO同士なら振込手数料無料です。
2. GMOあおぞらネット銀行を使って感じたメリット・デメリット
家族の事業の経理を担当していたときに、地方銀行からGMOあおぞらネット銀行に乗り換えました。実際に使って感じたことをお伝えします。
メリット① 定額自動振込でお金の移動を自動化

毎月決まった日に、決まった金額を自動で振り込めます。私は毎月25日に生活費を家計口座に自動振込する設定にしています。他行なら通常の振込手数料はかかりますが、毎月振込手続きをする手間が省けます。
メリット② ペイジーが使える

所得税や消費税、社会保険料、地方税など、納付書に「Pay-easyマーク」があるものをインターネットバンキングで払えます。手数料は原則無料。納付書を持ってコンビニや金融機関に行く手間がなくなり、自宅で支払いが完結します。ただし、eLTAXに対応していない一部の自治体の地方税は払えないことがあります。詳しくは公式ページでご確認ください。
個人事業税もeLTAXからペイジーで納付できます。手順はこちらの記事で解説しています。
▶ 個人事業税はいくらから?いつ払う?かからない業種・計算方法・納付期限を解説
メリット③ 日本政策金融公庫の引落口座にできる
日本政策金融公庫から融資を受ける場合に、返済の引落口座に指定できます。私もGMOあおぞらネット銀行を引落口座として使っています。
※日本政策金融公庫の引落口座に指定できるのは2025年12月時点で楽天銀行、SMTBネット銀行(旧住信SBIネット銀行)、GMOあおぞらネット銀行、Paypay銀行の4行です。
メリット④ 画面がシンプルで使いやすい
ネットバンキングの画面がシンプルで見やすいので操作に迷いません。毎月使うものなので、ストレスなく操作できるかどうかは意外と大事です。

デメリット:「つかいわけ口座」が使いにくい
1つの口座の中に、目的別の口座を最大10個まで作れる「つかいわけ口座」という機能があります。たとえば「納税用」「積立用」のように名前をつけて管理できる機能です。
家計で使っているSMTBネット銀行の「目的別口座」では、トップ画面で口座ごとの残高がひと目でわかるのが便利です。GMOの「つかいわけ口座」ではトップ画面に合計残高しか出ないので、私は使い勝手が悪いと感じました。
はた坊そんな経緯で個人口座を追加しました。個人事業主口座 + 個人口座の組み合わせが便利です。
「つかいわけ口座」でできること
- 目的別に残高を分けて管理できる
- 取引先につかいわけ口座あてに直接入金してもらう(口座ごとに支店名・口座番号がつく)
- 定額自動振替で積立を自動化

「つかいわけ口座」でできないこと・不便なこと
- つかいわけ口座から他行への振込はできない(代表口座に振替が必要)
- トップ画面には合計の残高しか表示されない(個別の残高はつかいわけ口座の画面でのみ表示)
- 入出金明細も全口座合算で表示される
- 会計ソフトと連携してもつかいわけ口座ごとに分かれない

3. 個人口座を併用すると解決すること
個人事業主口座だけでも普段の経理は成り立ちますが、納税や年払いの費用の支払いが重なる時期になると資金繰りが苦しくなることがありました。個人口座を1つ足したことで、うまく資金繰りができるようになりました。
3-1. 個人名義でしか引き落とせないものに対応できる

小規模企業共済やiDeCoの掛金は、契約者本人の個人名義の口座からしか引き落とせません。屋号付きの口座、家族の名義の口座は指定できないことになっています。事業に使っている個人クレカの引き落としも同じで、屋号付き口座を指定できないことが多いです。
はた坊事業のお金から出したいけれど、引き落としは個人名義の口座から。事業口座から家計口座へ資金移動していた時期もありましたが、家計簿に事業のお金が混ざる…。
このプチストレスを解決したのがGMOの個人口座を併用する形でした。
3-2. 納税や年払い費用を積み立てられる

個人口座は、まとめて出ていくお金を積み立てる場所としても使えます。
- 所得税・住民税・個人事業税・消費税・国民年金・国保・固定資産税
- 自動車税・車検費用
- サブスク年払い・各種年会費
- 車両購入・スマホ購入の積立
このような「必ず支払うけど年1回」だったり、短期で準備するのが難しいものは月々積み立てておくと支払いの時期が来ても慌てません。1年に1回なら12ヶ月、2年に1回なら24ヶ月で割って月々の積立額をだします。毎年変動する税金は昨年度の金額を目安にします。
はた坊国民年金やサブスクは年払いにした方がお得だし、経理の仕訳も1回で済みます。
次の画像は私が担当していた事業の積立口座の運用例です。年間で約217万円、月々約17万円を積立ておく計算になります。支払口座と支払月まで一覧にしておくと、どこからいつ支払うかが把握できるので、資金繰りがラクになります。

はた坊4~6月の国保・年金・税金だけで100万円オーバー…。これを毎月積み立てておけばOKです。
このように個人口座に積立費として分けておくことで、個人事業主口座は純粋に「仕入や設備投資に使えるお金」として把握することができるようになり、納税時期に慌てることもなくなりました。
3-3. 資金移動に手数料がかからない
GMOあおぞらネット銀行同士の振込は無料です。個人口座への積み立ても手数料はかかりません。他行の組み合わせでは以下のようになります。
- 楽天銀行:個人ビジネス口座と個人口座の間でも52円かかる
- SMTBネット銀行(旧住信SBIネット銀行):個人口座の目的別口座で分けられるが、屋号付き口座は持てない
4. GMOあおぞらネット銀行が向かない人
GMOあおぞらネット銀行は個人事業主におすすめできる銀行ですが、向かないのは以下のようなケースです。
4-1. 窓口で相談したい人
ネット銀行は対面での相談はできません。困った時はサポート画面で調べる、チャットでの問い合わせ、コールバックでの質問になります。窓口で対面で相談したい人は店舗がある銀行が向いています。
4-2. 現金の出し入れが多い人
コンビニATMは使えますが、入出金のたびに110円手数料がかかります。毎日売上を入金するような現金商売だと手数料がかさみます。
4-3. 地元の金融機関から融資を受けたい人
日本政策金融公庫の融資なら、GMOあおぞらネット銀行を引落口座に指定できるので問題ありません。
ただ、信用金庫や地方銀行からの借入を考えるなら、その銀行との付き合いも必要になります。ネット銀行だけにするかどうかは、事業規模や借入の予定によって検討しましょう。
5. 口座開設の流れ

個人事業主口座は公式サイトから申し込めます。すでにGMOの個人口座をお持ちの方は公式サイトからではなく、個人口座にログイン後、「お客様情報」から「個人事業主口座の開設」へ進んでください。
ここでは個人口座をお持ちでない方の手順を解説します。
- 本人確認書類(マイナンバーカードまたは運転免許証)
- 事業を確認できる書類(開業届の控え、確定申告書(第一表)、許認可証など)
- 紙で提出した場合:収受印がなければ税務署から交付されたリーフレットも必要
- e-Taxで提出した場合:受信通知の画面キャプチャも必要※
※e-Taxの受信通知の画面の保存方法は以下の画像をご覧ください。

本人確認の方法は3つあり、開設までの目安が異なります。
| 本人確認方法 | 開設までの目安 |
| マイナンバーカードの読み取り | 最短当日 |
| 自撮り動画(セルフィー) | 最短当日 |
| 本人確認書類のアップロード | 1週間程度 |
本人確認方法を選んでメールアドレスを入力すると、「口座開設のお申込手続きのご案内」のメールが届くので、口座開設申込フォームに進みます。
フォームの手順に従って、本人確認を実施、書類のアップロード、必要事項を入力して申し込みを完了します。
口座名義は3パターンから選べます。屋号をつける場合は開業届や確定申告書に記載したものを書きます。
- 氏名のみ
- 氏名 + 屋号
- 屋号 + 氏名
審査中は「口座開設ナビ」にログインすると、審査の状況を確認できます。審査が終わると、口座開設手続き完了メールが届きます。
本人確認の方法によって、ログイン情報の受け取り方が変わります。
◆マイナンバーカード読み取り・自撮り動画の場合
最短当日で口座開設完了のお知らせが届きます。「口座開設ナビ」にログインIDとパスワードが記載されています。
◆本人確認書類をアップロードした場合
審査完了後、ログインIDとパスワードが記載された書類が届きます。
どちらの場合もインターネットバンキングにログインして初期設定を済ませると使えるようになります。キャッシュカード(15歳以上はデビット機能付き)は口座開設完了のメールから3営業日後に発送されます。
まとめ
GMOあおぞらネット銀行の個人事業主口座は、開設費も維持費も無料、屋号付きの名義にもできる使いやすい口座です。ペイジーでの納税や、日本政策金融公庫の引き落としにも対応しています。
この銀行は個人口座と組み合わせたときに、さらに使いやすくなります。
- 納税や年払い費用の積立口座にできる
- 小規模企業共済やiDeCo、個人クレカなど個人名義でしか引き落とせないものに対応できる
- GMOあおぞらネット銀行間なら、振込手数料が無料
「つかいわけ口座」という機能で分ける方法もありますが、つかいわけ口座から直接振り込めなかったり、会計ソフトと連携すると1つの明細として表示されたりと制限があります。私には合わなかったため個人口座を併用する形に落ち着きました。
まずは個人事業主口座を使ってみて、積立費用を分けたくなったらあとから個人口座を追加すれば大丈夫です。
口座開設は公式サイトから
銀行口座を事業用と個人用で分けるべきかについては、こちらの記事で解説しています。
▶ 個人事業主の口座は分けるべき?途中から分ける方法と仕訳を解説
他のネット銀行との比較は、こちらの記事にまとめています。
▶ 個人事業主の事業用口座はどこがいい?主要ネット銀行を比較(執筆中)
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