私はなぜ専従者からパートに切り替えたのか?自営業妻が本音で語る働き方の決断

専従者からパートへ切り替えた理由

自営業の節税対策を調べていると、「専従者の節税効果は高い」とよく聞きます。私もそう思って、9年間「青色事業専従者」として夫の仕事を手伝ってきました。

家のこと、子どものこと、そして仕事。全部をこなしながら「専従者なら家庭を優先しつつ節税もできる!」と思っていたけれど、ある日ふと心の中に「このままでいいのかな?」というモヤモヤが生まれました。この記事では、そんな私が

  • 専従者をやめてパートに切り替えた理由
  • そのとき感じた正直な気持ち
  • 決断したきっかけ

をお伝えします。

「ずっと専従者のままでいいのかな…」「でも外で働くのもブランクがあって不安…」そんなふうに悩んでいる、専従者の方。同じ立場だからこそわかることが、きっとあると思います。一つの例としてお読みいただければ嬉しいです。

タップできる目次

1. 専従者で働くことを選んだ理由

まずは専従者で働くことを選んだ理由からお話しします。

結婚1年目は経理の勉強のためにフルタイムでパートに出ていました。産休に入る社員の交代要員だったので、その方が復帰するタイミングで退職。妊活、慢性疾患からの体調不良で転職は考えず、経理を手伝っていたことから節税のために迷わず「専従者」になりました。

当時はまだ子どもがいなくて、夫が苦手な事務を手伝おうという素直な気持ちでした。夫はどんぶり勘定、超アナログ人間で経理ができるはずもなく…。私は体力はないけど数字管理は好きだったので「苦手なところはサポートして支えあおう」って思えたし、役に立てるのが嬉しかったんです。

はた坊

健気な嫁時代。新婚マジック(遠い目)

妊娠・出産を経て、子どもが小さいうちは以下のようなメリットがあり、「専従者」は本当にありがたい制度でした。

  • 時間の融通が効く
  • 自分や子どもの体調に合わせて働ける
  • 夫の節税にもなる
  • 保育園に預けることもできる
  • 事務作業の外注コストを抑えられる
  • 夫も事業に専念できる
  • ちょっとだけ手伝いがほしい時に便利

2. 専従者で働いていた頃の実情

専従者って本当に働いてるの?って思われがちです。たまにいませんか?保育園に預けてるけどパートや正社員ではなさそうだな…って人。

在宅ワークも浸透してきた昨今ではあまり珍しくないかもしれませんが、長男を幼稚園に預けていたころは、周りのお母さんは働いている人は少なく、「夫の仕事手伝ってます」というと珍しがられることもありました。

私が担当していた業務内容

  • 毎日2、3時間経理の作業・調べもの
  • 月2回ほどは銀行で振込
  • 買い出し
  • 次男の産後からは簡単な作業の手伝いも

パートのように時間の拘束はないから、融通利かせまくりの仕事スケジュールでした。

  • 家事を合間にすることもある
  • 子どもの体調不良は最優先
  • 自分の通院予定も優先
  • 寝かしつけの後に仕事することもある

店舗や飲食店を手伝う専従者なら同じようにはいかないと思いますが、私は在宅ワークだったので専業主婦 + 融通の利く仕事をしてる人という状態。

商工会で相談して月8万の給料にしていたけど、実際パートで8万稼ぐとなると9時~15時で週4程度は働く必要があります。同じだけ働いていたかと言われると怪しいですが、経理代行は月5万程度はかかるのでその費用を削減できていたことは大きかったと思います。

▶ 専従者でよかったこと

前述したとおり、メリットはたくさんありました。

  • 時間の融通が効く
  • 自分や子どもの体調に合わせて働ける
  • 夫の節税にもなる
  • 保育園に預けることもできる
  • 事務作業の外注コストを抑えられる
  • 夫も事業に専念できる
  • ちょっとだけ手伝いがほしい時に便利

持病があり体力的にも自信がなかったので、家庭を優先できたことは本当にありがたかったです。

▶ 専従者でしんどかったこと

メリットが多い反面、しんどいと思うこともありました。

  • 自分で稼いでいると思えない
  • 節税はできるけど世帯収入は増えない
  • 夫から感謝されない(我が家の場合)
  • 工夫しても評価されない
  • 家族しか会わず孤独感
  • 夫の一馬力が不安(共倒れリスク)
  • 将来の保障(年金・保険)も不安
  • 周りから「働いてる」と思われづらい
  • 周囲に専従者は理解されづらい
  • 家事育児の分担を頼みづらい
はた坊

専従者時代の私は専業主婦 + 融通の利く仕事をしてる人だったので、時間は自由でも、不自由だ!と感じることが多かったです。

「逃げ恥」の名ゼリフに何度もうなづきました。

専業主婦の労働の対価は、この基本給プラス雇用主の評価(愛情)ということになります。

しかし愛情は数値化できません。そうなんですきわめて不安定な要素なんです。雇用主の気まぐれでいつでもゼロになりうる。

「逃げるは恥だが役に立つ」ドラマより引用

3. モヤモヤが大きくなったきっかけ

元々しんどさも多かった専従者。さらにモヤモヤし始めたのは次男を保育園に預けて、働く時間を増やしたころから。

  • 夫の仕事ぶりが良くも悪くも見える
  • 感謝どころか煙たがられることも
  • 夫とお金や仕事のことで衝突が増えた
  • 何より夫の危機感のなさ

毎月通帳の残高は見せていましたが、現金が底をつきそうになり融資を受けたのが最後の決め手でした。

4. パートに出る決断をした理由

融資関連の手続きもすべて私がやり、融資を受けても夫の姿勢は変わらず。事業と家計のお財布はしっかり分けていたので、家計から補填すればしばらくはしのげるけれど…一人で悶々とする日々が続きました。

  • 貯金が減っていく危機感 
  • でも夫の危機意識が低い
  • お金のことを考えるのは私だけ

ネガティブに考えても仕方ない!と思いなおし、以下を目標に職探しを始めました。

  • 節税より現金収入を増やす
  • 社会保険に入って将来の保障も増やす
  • 子どもの都合を最優先にする

パート先で社会保険(健康保険+厚生年金)に加入できる条件

  • 週20時間以上勤務
  • 月収88,000円以上
  • 2ヶ月超で雇用される見込み
  • 従業員数51人以上の会社
  • 学生ではない

※2026年10月から②は撤廃

5. 夫を説得した方法

衝突が増えていたので相談はせず、以下を比較した表を見せました。

  • 専従者で年収100万の場合
  • パートで年収100万の場合
はた坊

パートの方が現金が87万増えるので、パートに出ます!とだけ伝え、就活の報告もせず働き始めました。

比較方法はこちらの記事を参考にしてください ↓

専従者とパートはどっちが得?パートの方が【年間87万円お得】になる理由を解説

6. 実際に働き出して変わったこと

実際にパートを始めてからのメリット・デメリットは以下の通りです。

  • お金が増えた
  • 社会保険に入れて保障UP
  • 自分で稼いでいる実感が嬉しい
  • 社会とつながりができて嬉しい
  • 自分の居場所が増えた
  • 自分の技術や知識が役立つものだとわかり自己肯定感UP
  • 子どもが元気なことへの感謝が増えた
  • 子どもを社会保険の扶養に入れることができた
  • 働く時間が増えて疲れがたまる
  • 家事が回らないことも
  • 冷凍食品に頼ることが増えた
  • 子どもの体調不良が辛い
  • 休むと仕事が溜まる
  • 自営業の経理の仕事もある
  • 税金が増えた

一番残念だったのは、私が働きに出た分、夫が家事育児の分担を増やしてくれるかなと思っていましたが特に変わらず、大変ならパートを減らすように言われたことです。

仕事 + 家事 + ワンオペ育児 + 自営業の経理は大変ですが、以下の方法も見直して何とか毎日を乗り越えています。

  • 洗濯乾燥機を導入
  • 食洗機もフル活用
  • 「やらないこと」を決める
  • 今までやっていた「当たり前」を疑う
  • 夜は子どもと21時就寝で体力確保
  • 4時半起きでブログ時間を確保
  • できない自分を許す(むずかしい!)
  • 外部の人に頼る
はた坊

長い結婚生活。このタイミングで夫から自立したい!と確信できたのはよかったと思います。

まとめ

  • 専従者には専従者のよさがあった
  • 今の私にはパートの方が合っていた
  • いつでも戻れるから柔軟に選べばいい
  • 夫に期待せず自分がやりたい方を選んでいい
  • 経済的自立は目指した方がいい

今迷っている人にも今の自分に合う方を選んでいいよ!と伝えたいです。人生100年時代。夫のサポートだけじゃなく自分の人生も満喫しましょう!

一気に専従者からパートに切り替えるのが不安な方は掛け持ちしてみるのもアリです。詳しくはこちらの記事で解説しています。

専従者とパート・副業は掛け持ちOK?条件・具体例・注意点を徹底解説!

専従者の基本についてはこちらで解説しています。

【個人事業主】専従者給与はいくらまで大丈夫?届出方法・節税効果を徹底解説!

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