
専従者だけど、家計の足しにパートしたい!



専従者って副業やってもいいのかな?
と考えること、ありますよね。専従者の節税効果も受けながら、世帯収入が増えればこんなにいいことはありません。



同じように悩んだ時に調べて、専従者は掛け持ち・副業禁止というような情報を見て「専従者 = 他の仕事はしたらダメ」と思い込んでいました。
でも結論からいうと、専従者でもパートや副業の掛け持ちOK!
ただし条件があって、「専従者(家業)がメイン」になっていること。つまり、
- 家業をしっかり支えていて
- パート・副業は「すきま時間でちょっと」なら大丈夫
- 掛け持ちの仕方によっては「専従じゃない」とみなされる可能性も
- 専従者のパートや副業、どこまでOK?
- NGになりやすいケース
- どうやって判断すればいいか
- 迷った時の相談先
- 家業より稼ぐようになった場合
など、元専従者の視点でわかりやすく解説します!
1. 専従者給与の基本ルールをおさらい


「青色申告専従者給与」は、青色申告をしている個人事業主が家族に払う給料を経費にできる制度です。
本来、生計を一つにする家族が仕事を手伝ったことへの給与は経費にはできませんが、「専従者給与」の届出を出せば家族への給料を経費にして節税できるとても節税効果の高い制度。
ただし、誰でもOK!というわけではなく要件が決まっています。
- 生計を一つにしている配偶者や親族(15歳以上)
- 「所得税の青色申告承認申請書」を提出している
- 「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出している
- 一年のうち6ヶ月超、事業に専ら従事している
④「事業に専ら従事している」がポイントで、「家業がメインの仕事であること」が条件になります。


2. 専従者のパートや副業、どこまでOK?


「家業がメインならOK」と言われても実際どのくらい働くとアウトになるのか…ここがグレーゾーンです。
専従者給与は節税効果が高いため、条件によっては税務署から否認されるケースも多いです。



「税務署から否認される」ってだけで怖いですよね。
従業員を雇用している場合、毎年1月末までに市区町村へ提出する「給与支払報告書」で税務署は住民税を把握しているので、専従者が他に収入があるかどうかも税務署は把握しています。


私は現在パート勤めをしながら自営業の経理もしているので、専従者給与は出してOKなのか、顧問税理士さんに相談してみました。
▶ 税理士の見解:掛け持ちはNG寄り
- 専従者は「他の職業を持たず、常に家業に従事している状態」が原則
- 税務署は専従者給与は厳しめにみている
- パートとの掛け持ちは基本的に専従者給与の否認リスクが高くなる
というのが、顧問税理士の見解でした。
▶ 掛け持ちOKはどんなパターン?
掛け持ちは基本的に否認リスクが高くなるが、以下のような条件はセーフの可能性があるとのこと。
- 日中は家業、就業時間外で短時間副業(例:平日はフルタイムで家業、土日だけ短時間パートなど)
- 就業時間や給与がパート・副業より家業の方が多い



つまり、「あくまで家業がメイン」というのが絶対条件ということですね。
▶ NGになりやすい働き方の例
- 週5日パート + 家業はスキマ時間のみ
- パート・副業の売上が家業を超えた
→ 副業が本業と判断されがち。 - 家業メインだけど、記録が曖昧
「作業記録」の提出を求められるケースもあり。普段から記録しておくと安心です。
過去に専従者給与が否認された判例として国税不服審判所に11件の判例がありました。気になる方はチェックしてみてください。
▶ 判断に迷ったら、ここをチェック!
自分で判断するのが難しい…と迷ったら、次のポイントを紙に書き出してみてください。
- 家業の作業内容(記帳/請求書作成)
- パート・副業の勤務状況(日数/時間/収入)
- 家業の勤務状況(日数/時間/収入)
書き出してみると、「どっちが主なのか?」がハッキリ見えてきます。
3. それでも不安なら相談できる窓口へ


自分でもしっかり考えたけど、まだ不安、専門家の意見も聞いてみたいと思ったら、以下の場所を利用してみましょう。
- 税務署の無料相談
- 市区町村の青色申告会
- 近くの商工会で相談
- 税理士さんに単発で相談
- 顧問税理士を検討してみる



私は10年間商工会でお世話になり、顧問税理士に切り替えました。相談先を持っておくと心強いですよ。
それぞれの特徴や体験談はこちらにまとめています。


4. 家業よりもパート・副業の方が稼げるようになったらどうなる?


家業がメインなら、パートや副業の掛け持ちはOKですが、もしそのバランスが逆転してしまったら?
結論から言うと、専従者の条件を外れる可能性があります!
パートや副業の収入が家業を上回ると、税務署から「パート・副業が本業じゃないの??」とみなされるリスクが高くなるんです。
▶ 専従者NGの可能性が高いケース
以下のような場合はパート・副業がメインと判断されやすく、専従者給与として認められない可能性があります。
- 家業の給与:月3万円
- パート副業:月8万円



過去に経費にした専従者給与が否認され、追徴課税になる可能性や、最悪数年さかのぼって追徴課税になるケースもあります。
▶ 「専従者をやめる」という選択肢も
現在の私の就業状態は以下の通りで、税理士さんからも「専従者は外れた方がいいですね」と言われ、パートを始めたタイミングで専従者を外れることにしました。
- 週4日6時間パート、家業の経理週1
- 時間も給与もパートの比重が大きい
- 他の職業を有していない条件を外れる
専従者を外れたことで事業主の税金は増えましたが、メリットもたくさんありました。
- 世帯収入が約70万円増加
- 社会保険加入で将来の年金や保障がUP
- 子ども2人を私の扶養に入れることができた(できない健康保険協会もあります)
無理に専従者にこだわらず、状況に応じて働き方を変えるのも選択の一つ。子どもの成長や家庭の状況によって、都度見直していきたいと思います。


▶ 専従者をやめる時チェックすること
専従者をやめるのに特別な届出は不要で、給与を支払わなくなり経費が減るというだけです。
専従者をやめると以下のことが変わってくるため早めにチェックしておきましょう。
- 専従者給与分の経費が減る
→ 夫の税金が増える可能性あり - 妻の所得によっては夫の配偶者(特別)控除が使えるケースあり
- 妻が社会保険に加入する場合、妻分の社会保険料控除は妻側の年末調整で使われるため、夫の社会保険料控除が減る
また専従者に戻る場合も特に届出は不要です。給与を支払ったら従来通り源泉徴や年末調整が必要になります。
まとめ
専従者給与はとても節税効果が高い制度です。その分要件を守らないと税務署から目を付けられる可能性もあります。
- 専従者でもパート・副業は掛け持ち可
- ただし「家業がメイン」であることが絶対条件
- 働き方を記録しておくと税務調査が入っても安心◎
- ライフステージに応じて専従者を辞める選択肢もアリ◎
専従者の節税効果をうまく活かせるような条件の仕事を探すか、思い切って専従者をやめてがっつり働く道を選ぶか。家業の状態や、ライフスタイルに応じて検討してくださいね。



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